気持ちのいい朝、ある一軒家からはいつものようにトントンという小気味のいい音が響いていた。
「ん・・朝か・・
半分覚醒しない頭でなんとかベッドから這い出した。
一階からはあの決戦から一日足りとて欠かされたことのない音が聞こえてくる。
「あ、起こしちゃったでげすか。申し訳ないでがす。
「ううん、大丈夫。目が覚めただけだから。
「もう少しでできますから、姐御は椅子に座って待っててくだせえ
そういってヤンガスはエイトを暖炉の前のチェアに半ば無理に座らせた。
「また、姐御って言った。いい加減エイトって呼んでよ
「姐御はいつまでも姐御でげす。
アッシのような義の人間にはそれはできないでげす
毎度お決まりの答え。
ちょっと物足りないけど、それがヤンガスだから仕方ないかなとも思う。
暖炉はヤンガスみたいに暖かくて危なく二度寝しそうになる。
穏やかで満ち足りた日々。
いつまでもこんな日が続けばいいな。
「姐御ー。できましたよー
ヤンガスの元気な声がいつもどおりあたりに響き渡る。
ドラゴンクエスト8 Fin.