>829氏

「兄貴!」
悲鳴のような声をあげ、慌ててヤンガスがエイトへと駆け寄る。
「違いやす!間違ってやす!!だああ、その場で着替えようとしないでッッ」
ゼシカやククールの目に触れぬようにして、ヤンガスが腕を広げてエイトを覆う。
当のエイトは何がそういけないのかが解らず、不服気に唇をとがらした。ヤンガスを見上げて、言う。
「ねえ、なんで何時も僕ばかり注意するの?何がいけないの。この前だって怒ったじゃない」
「お・怒るだなんてそんな大それたことっ。アッシは兄貴を薄汚ねえ狼共から守ってるんでがす。そりゃあもう必死に、いつも。
だから!その、みずのはごろもは直に着るもんじゃねえんでがす!!わ、わ、解ってやすよね?
すすすす、透けっちまうんでがすよ?サービスし過ぎでげす!!!」
「………サービス?…何に??」




+++




>890氏

「あっ!」
下から押し上げるような強風にエイトのバンダナがさらわれてしまった。
カサリと音を立てて木の枝に引っ掛かる。
「あーぁ、僕の身長じゃ届かないよ・・・」
背伸びをして手を伸ばしても惜しくも足りない。
じれったく空を掻いていると、揺れと共に視界が高くなった。
「ヤ、ヤンガスっ」
「へへっ、あっしが肩車をすれば届くでがすよ」
「・・・うん、ありがとう!」


「エイトったら頬染めちゃって、初いわねぇ」
「あれぐらいだったら俺、届くのにー」
「バカ、雰囲気読みなさい!」