>16氏

「あ」
「どうしたんでがす兄貴」
「ほら、あれ。ふきのとう」
「ありゃほんとだ。もう春なんでがすねぇ」
「早いね…僕たちが出会ったのも確か春先だった」
「そうでがしたねぇ。あの日の夕飯の山菜粥の味は忘れられないでげすよ」
「僕だってそうだよ。あんなにおいしそうに食べてくれたこと、忘れられない」
「…面と向かって言われると照れるでがすよ」
「僕だって」



「…毒きのこが入ってて死にかけたことは忘れとるのかあやつら」
「思い出なんてそんなものさ…」




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>51氏
ミニ劇場

夜桜の桜吹雪を浴びて
8「…綺麗。夢を見てるみたいだ…。」
ヤ「でも…みんな散ってしまうでがすよ。花の命は短い、はかないでげすなぁ。」
8「あれ、ヤンガスって以外とロマンチストなんだ?」
ヤ「そういうことは言わないで置いて欲しいでげす。」
8「…クスクス、ごめんごめん。」
-桜を見上げたまま、ふいにギュッとエイトの手を握るヤンガス-
8「!!」
ヤ「…姉御。今年の桜はもう散ってしまうけど、来年もきっと一緒にこうして桜を見やしょうね。
…あっしはみんなと違って敵討ちだの何か目的があってラプソーンを追ってきた訳じゃなかったでげす。
世界平和なんて言われても、全然ピンとこねぇし…ただ姉御に付いてきただけで。
でも、今決めたでげす。来年もさ来年もこの景色を姉御と見続けるために、あっしはラプソ−ンを倒すでがすよ。」
8「……うん…僕も…この美しい景色を守りたい。来年も君とここに立つために。
その約束の為だけに…僕は命を賭してでもこの世界を守りたいと思う。」
ヤ「約束でがす、姉御。来年もきっとここに。」
-その刹那、二人の頭上に降り注ぐ大量の桜吹雪。花弁が二人の髪に顔にまとわり付く-
8「ヤンガス、おでこに花弁付いてる。取って上げるから目を閉じて。」
ヤ「こうでがすか?」
-夜風に舞い踊るピンクの花弁に包まれ、2つのシルエットが1つに重なる-
8「約束の証、だよ。」
-真っ赤になったヤンガスは言葉も発せずただ力強く何回も頷いた。
そんなヤンガスを見てエイトは桜色の唇を綻ばせて笑った。-

おしまい。




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>124氏

「…そういやお前らさ、手繋いだりはしねえの?」
「へ?」
「いや、できてるんなら手ぐらい繋いでもいいんじゃねえかと思って」
「人前でそんなことできないよ」
「…そのとおりでがす」
「なんだよその微妙な間は」
「…何でもないでがすよ」
「?」


「…手を繋ぐと身長差がはっきりしちゃうからじゃない?」
「ああ、なるほどね」
おそまつ。